コクヨグループの障碍者雇用は歴史が古く、戦前から積極的な取り組みを続けてきました。しかし、その多くは聴覚障碍など身体の障碍がある方が対象で、知的障碍者や精神障碍者の雇用は難しいという問題がありました。
また、コクヨグループは事務製品だけではなく、オフィス家具など幅広い商品を製造・販売しています。近年、製品や販売サービスなどの多様化に対応すべく、子会社を増やしました。そのため、グループ通算での障碍者雇用率の達成が必要とされています。
知的障碍者や精神障碍者にも就労の場を提供したい。
さらには、グループ全体での障碍者雇用率達成に寄与したい。
こうした思いから、農業の分野で障碍者を雇用するハートランドを設立しました。
農業には種まきから定植、収穫まで、知的障碍者や精神障碍者にできる仕事がたくさんあり、作物を育てる喜び、製品になる喜びを感じることができます。
栽培する主品目には、水耕栽培によるサラダほうれん草を選びました。水耕栽培なら季節や天候に左右されず、雨でも冬でも安定した就労を確保できます。また、サラダほうれん草は潜在需要が多く、事業としての持続可能性を保てます。
生産にはできるだけ農薬を使用しない方針を取り決めました。これは消費者の食の安全を守るとともに、商品価値を高めるためです。
コクヨグループにとって、農業は全く初めての取り組みです。創業者 黒田善太郎がゼロから手探りで障碍者雇用を始めたように、私たちも新しい障碍者雇用のビジネスモデルを構築し、障碍者の自立を手助けしていきたいと考えています。
また、年々減少する日本の食料自給率の向上を目指し、担い手不足により衰退している日本の農業を障碍者とともに復活し、社会に貢献していきたいと願っています。