「一律の宿題」を廃止した岐阜市立岐阜小学校とIoT文具を用いた家庭学習習慣化に関する実証実験を開始 新1年生と2年生86名全員に『しゅくだいやる気ペン』を提供し、学校と家庭との新しい関係づくりを検証

その他(業種)トピックス2023年04月27日
 コクヨ株式会社(本社:大阪市/社長:黒田 英邦)と岐阜市立岐阜小学校(岐阜県岐阜市/校長:藤田忠久)は、小学校低学年の課題である家庭学習の習慣化について、IoT文具を活用した実証実験を開始しました。

やる気ペンと1年生、2年生の担任の先生方
やる気ペンと1年生、2年生の担任の先生方
 少子高齢化、核家族化、共働き世帯が増える中、社会全体での家庭教育支援のあり方が問われています。学校においては、子どもたちの個に応じた学びや、教員の働き方改革が求められており、家庭は基本的生活習慣を身につける場として「学習習慣の定着」も担うべきではないかとの議論がはじまっています。また、従来型の一律の宿題は廃止し、家庭主体の「家庭学習」へとシフトする動きも出ています。コロナ禍を経て、子ども一人一人の特性に寄り添う家庭学習の重要性がますます注目されています。
 IoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、市販の鉛筆に取り付けるセンサー付きアタッチメントで、スマホアプリと連動することによって、家庭学習の習慣づくりをサポートする商品です。主に小学校低~中学年を対象とし、累計出荷台数は3万台を突破しました。2019年の発売以来、家庭学習における「親子のコミュニケーション」に着目し、「書く⇔褒める」の好循環を回すことで子どもの「やる気」を育むサービスとして多方面から評価をいただいてきました。

 今回、このIoT文具を活用することで、家庭学習における親の伴走環境のあり方を岐阜市立岐阜小学校と共同で実証検証いたします。自ら学び続ける子どもを育む土台として、「①机に向かう習慣づくり」と「②家庭学習に取り組む親子関係の土台づくり」の2点に着目し、それぞれの相関や課題を抽出することで、具体的な家庭学習支援のあり方を探ってまいります。

 実証実験は、岐阜市立岐阜小学校の新1年生と2年生の全ての児童(86名)を対象に、各ご家庭で数か月間にわたって実施し、実証検証終了後、結果を発信いたします。

教室で児童がやる気ペンを試している様子
教室で児童がやる気ペンを試している様子
(左)教室で児童にやる気ペンを説明している様子 (右)保護者にやる気ペンを説明している様子
(左)教室で児童にやる気ペンを説明している様子 (右)保護者にやる気ペンを説明している様子
実証実験概要
■実験期間:2023年5月1日(月)~2023年10月31日(火)*2024年3月31日まで延長の可能性あり
■実験対象者:岐阜市立岐阜小学校 新1年生39名、2年生47名全員
■実験内容:担任教師から保護者を通じて、合意を得た家庭に対して『しゅくだいやる気ペン』を提供し、児童の日々の家庭学習に『しゅくだいやる気ペン』を使用する。定期的に、アンケートやデータ集計を用いて家庭学習の意欲の変化、習慣化を分析する。
■実験目的:『しゅくだいやる気ペン』による家庭学習に関する様々な変化(教員、保護者、生徒の変化)を把握し、家庭学習に対する学校と家庭との新しい関係を見出し、教育の新しい形を創造する。

 この実証実験には、岐阜小学校の先生方からも多くの期待が寄せられています。コクヨは「しゅくだいやる気ペン」を通じて、学びの入口に立つ親子を応援すると共に、今後も、勉強が親子の共同プロジェクトになるような新しいアイデアを生み出し続けます。

岐阜市立岐阜小学校について
岐阜市立岐阜小学校
所在地:〒500-8038 岐阜県岐阜市大工町1番地
校長:藤田忠久

 岐阜小学校は、信長公が美濃国を攻略して「岐阜」と改めた城下町を校区としてきた金華小学校と、旧県庁舎(新市庁舎)・警察署・消防署・裁判所等が立ち並ぶ官公街を校区とする京町小学校の、二つの伝統校が統合して平成20年度に開校した学校です。
 開校以来、岐阜市最初のコミュニティ・スクール(以下CS)に指定され、文部科学省の研究指定事業として「地域や家庭との連携・協働教育プログラム」を開発し、「ふるさと大好き」を合い言葉に先駆的な実践を進めてきました。学校活性化を目指した導入当初の「学校支援・地域活用型」から、「学校支援・地域参加型」を経て、持続可能な地域づくりへと向かう「地域創造型」の学校へと進化してきた小学校です。
 2019年より就任された藤田校長の下、児童に対して一律の宿題を廃止し、家庭、社会、学校の役割を整理し、家庭学習の手引きを作成配布し、各家庭で家庭学習の取り組みの定着化に取り組んでいることが多くのメディアに取り上げられています。今回この取り組みの内容を向上させる目的で、特に家庭学習の動機付けや習慣化が課題の低学年を対象に、『しゅくだいやる気ペン』による実証実験を行うこととなりました。

コクヨ「しゅくだいやる気ペン」について
しゅくだいやる気ペン
 コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、スマートフォンのアプリと連動して、子どもの日々の努力を「見える化」することで、学習への意欲を高めていくために開発された商品です。センサー付きアタッチメントを鉛筆に取り付け、勉強への取り組みに応じて溜まった「やる気パワー」をスマホアプリに取り込んで見える化します。「かく⇔ほめる」の好循環を生み出すことで、親子のコミュニケーションを円滑にし、子どもが自発的に学習する習慣を促していきます。2020年「第14回キッズデザイン賞」(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門)を受賞しました。

岐阜市立岐阜小学校藤田校長先生からのコメント
岐阜市立岐阜小学校 藤田校長先生
岐阜市立岐阜小学校 藤田校長先生
 岐阜小学校は、昨年度から「一律の宿題」を廃止し、「家庭学習」への転換を図りました。「家庭学習」の主体はあくまで家庭(児童本人・保護者)であると考え、家庭の役割に目を向けたことで「家庭学習」は親子の対話を増やし、親が子の学力・学習状況を知って願いを伝える機会にもなるという考えも生まれました。それでも、この転換が定着するまでは、家庭の実情に応じた支援をしていく必要も感じました。
 そんなとき、机に向かう意欲化と習慣化、親子のコミュニケーションが期待できるIoT文具の存在を知り、その活用に大きな可能性を感じました。低学年期の「家庭学習」の目標は家で勉強する習慣を身に付けることで、最初の5分間を集中して取り組めるようになると、集中力と粘り強さが高まります。保護者には、学習環境を整え、学習に向かったことを大いに褒めるように働きかけています。文字の習得には繰り返し書き込むことが有効ですし、見聞きしたことや感じたことを絵に描いて表すことも価値ある学習となります。興味・関心のあることに向かって鉛筆を動かすことは、児童一人一人の可能性を広げることに繋がります。
 「宿題」という言葉を用いないことにした岐阜小学校では、このIoT文具を「やる気ペン」と呼んで効果的に活用していきたいと思います。

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