青森市立沖館小学校とIoT文具を用いた 家庭学習習慣化に関する実証実験を開始 新2年生、3年生 計177名全員に『しゅくだいやる気ペン』を提供し、 家庭学習データを活用した学校と家庭教育のあり方について検証
少子高齢化、核家族化、共働き世帯が増える中、社会全体での家庭教育支援のあり方が問われています。学校においては、子どもたちの個に応じた学びや、教員の働き方改革が求められており、家庭は基本的生活習慣を身につける場として「学習習慣の定着」も担うべきではないかとの議論がはじまっています。また、従来型の一律の宿題は廃止し、家庭主体の「家庭学習」へとシフトする動きも出ています。コロナ禍を経て、子ども一人ひとりの特性に寄り添う家庭学習の重要性がますます注目されています。
IoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、市販の鉛筆に取り付けるセンサー付きアタッチメントで、スマホアプリと連動することによって、家庭学習の習慣づくりをサポートする商品です。主に小学校低~中学年を対象とし、累計出荷台数は5万台を突破しました(2024年2月時点)。2019年の発売以来、家庭学習における「親子のコミュニケーション」に着目し、「書く⇔褒める」の好循環を回すことで子どもの「やる気」を育むサービスとして多方面から評価をいただいてきました。
今回、このIoT文具を活用することで、家庭学習における親の伴走環境のあり方を青森市立沖館小学校と共同で実証検証いたします。変化する教育環境の中で、学校教育のみならず家庭教育がどうなっていくのか、どうすべきなのかをやる気ペンデータ(家庭学習データ:家庭学習時間や頻度等のデータ)を活用しながら教員だけでなく、保護者を巻き込みながらの検討を試みます。しゅくだいやる気ペンを活用することで、学力や学習習慣の改善効果だけでなく、新たな気づきや課題の発見等を抽出することで、具体的な学校教育と家庭学習支援のあり方を探ってまいります。
1. 青森市立沖館小学校での体験会の様子
実証実験は、青森市立沖館小学校の新2年生、3年生のすべての児童(177名)を対象に、各ご家庭で数か月間にわたって実施します。実証検証終了後は、結果を別途発信いたします。
2.実証実験概要
■実験期間:2024年5月1日(水)~2024年7月31日(水)*2024年9月30日まで延長の可能性あり
■実験対象者:青森市立沖館小学校 新2年生96名、新3年生81名 計177名
■実験内容:担任教師から保護者を通じて、合意を得た家庭に対して『しゅくだいやる気ペン』を提供し、児童の日々の家庭学習に『しゅくだいやる気ペン』を使用。定期的に、アンケートやデータ集計を用いて家庭学習の意欲の変化、習慣化、学習意欲や学力の変化を分析します。
■実験目的:『しゅくだいやる気ペン』による家庭学習に関するさまざまな変化(教員、保護者、生徒の変化)を把握し、家庭学習に対する学校と家庭との新しい関係を見出します。将来に向け、教育の新しい形を創造します。
この実証実験には、沖館小学校の先生方からも多くの期待が寄せられています。コクヨは「しゅくだいやる気ペン」を通じて、学びの入口に立つ親子を応援すると共に、今後も、勉強が親子の共同プロジェクトになるような新しいアイデアを生み出し続けます。
3.参考情報
青森市立沖館小学校について
所在地 :青森県青森市沖館3-1
校長:大賀重樹
青森市立沖館小学校は、創立140年以上の歴史をもち、創立以来、明治、大正、昭和、平成、令和時代と共に歩み、数多くの卒業生を送り出してきました。令和6年度の児童数は508名で、全学年3学級ずつと、特別支援学級が4クラスあり、全22学級となっています。
学校教育目標「やさしい子、かしこい子、たくましい子」を揚げ、具体的像として
〇思いやりの心をもち、協力し合う子
〇学んだことを活かし、自分の思いや考えを伝え合う子
〇健康・安全に関心をもち、心と体をきたえる子
を目指して取り組んでいます。
SDGsの「誰ひとり取り残さない」の共通理念に基づき、どの子も生き生きと活動する学校を目指し、夢と志の自己実現に向け、徳・知・体の調和のとれた人間性豊かで心身ともにたくましい児童の育成を図ることを目指しています。
そのために、保護者や地域、近隣の教育機関との連携を密にして信頼関係を築き、全教職員の総意と工夫のもと、「学校が楽しい」と子どもたちが笑顔で通う学校づくりに努力していきたいと思います。
コクヨ「しゅくだいやる気ペン」について
コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、スマートフォンのアプリと連動して、子どもの日々の努力を「見える化」することで、学習への意欲を高めていくために開発された商品です。センサー付きアタッチメントを鉛筆に取り付け、勉強への取り組みに応じて溜まった「やる気パワー」をスマホアプリに取り込んで見える化します。「かく⇔ほめる」の好循環を生み出すことで、親子のコミュニケーションを円滑にし、子どもが自発的に学習する習慣を促していきます。2020年「第14回キッズデザイン賞」(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門)を受賞しました。
青森市立沖館小学校大賀校長先生からのコメント
このIoT文具『しゅくだいやる気ペン』は、家庭学習定着化の1つのツールとして有効であるとかんがえました。その理由として第一に、子どもたちは普段からICT機器を使いこなしており、様々なアイテムも用意されているので、「ゲーム感覚」で楽しみながら活用できることがあげられます。
第二に、普段は忙しく会話ができにくいご家庭でも、この『しゅくだいやる気ペン』をきっかけとして、親子での対話が増え、保護者の家庭学習に対する意識が高まると考えたからです。
第三に、子どもたち一人ひとりの頑張りが視覚化され、子ども自身が自分の頑張りに気づくとともに保護者が褒めることで、家庭学習にこれまで以上に主体的に取り組むことができるようになるからです。
そして、家庭と学校が協働しながら、家庭学習に取り組む土台づくりを進めていきたいと考えています。
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