オフィス専用コクヨオリジナルモデルを開発
これまでのテレプレゼンスロボットの検証
コロナ禍を機にリモートワークが広く一般的なものになりました。全員リモートのWEB会議だと問題ないものの、複数名のリアル(オフィス)メンバーとリモートメンバーというハイブリッド会議では、リモートメンバーが疎外感を感じることが少なくありません。
私たちは、この現象において、単にWEB会議システムにタイムラグがあるということだけではなく、①リアル側のディスプレイにリモートメンバーが小さく表示されるだけでは存在感が薄くなってしまう、②リアルメンバーが板書したり指差しで会話したりすると、リモートメンバーは同じものを見ることができず、能動的に会議に参加しづらいということが課題だと考えました。
そこで、OPEN LAB.では2020年からテレプレゼンスロボットの検証を進めてきました。テレプレゼンスロボットとは、リモートメンバーがロボットに憑依するようにして会議に参加する仕組みです。ロボットはリモートから移動や視点の操作ができ、リアルメンバーにとっても立体感のあるリモートメンバーの存在感を感じることができます。
上下昇降による目線の高さ変更と布を用いたデザインが特徴
今回、オフィスワーカーとリモートワーカーがあたかも同じ空間で会議に参加しているかのように感じられる仕組みの構築を目指し、hapi-robo stが扱う「temi」の制御部のみを提供するサービス「temiプラットフォーム」を国内で初めて採用。家具開発のノウハウを持つコクヨのオリジナル筐体を組み合わせたオフィス専用の「temi」を開発しました。
主な特徴は、上下昇降機能とオフィスでの設置を考慮したデザインです。
まず、上下昇降機能を取り入れることによって、オフィスで働く様々な姿勢のワーカーと「目線を合わして会話する」ということが可能になりました。また、従来の「temi」同様、視点変更や移動など遠隔操作が可能で、オフィスにおける会話や資料のやりとりなど立体的な動きをリアルタイムに確認することができます。
また、デザインにおいては、ソファーなどのオフィス家具にも用いられ、私たちが日々身に纏う素材である「布」をデザインに採用。オフィス空間を移動し、人とコミュニケーションを取るtemiを、より親しみのある存在にすることを目指しました。