PROJECT

ANYBODY ANYWHERE1.0
ソニーマーケティング株式会社・株式会社NTTドコモ

背景

2020年、OPEN LAB.では、株式会社NTTドコモの協力のもと、第5世代移動通信システム(以下、5G)設備を実装しました。5Gを活用したソリューションの研究開発を通じて、ニューノーマル時代の新しい働き方の創出という課題に対し、企業横断型でチャレンジしています。

本実験では、5Gの3つの特徴である「高速大容量」「低遅延」「多端末接続」のうち、「低遅延」技術に注目し、オフィスシーンにおけるユースケースをソニーマーケティング株式会社、株式会社NTTドコモとともに検証しました。

検証を開始したのはコロナ禍前の2019年。オフィスに居ながらもチャットベースでの会話が増え、ワーカー同士の物理的な接触の減少を感じながら、そのうち、隣の人ともテレビ電話で会話する時代がくるかもしれないというのが発想の原点でした。奇しくも翌年の2020年、その世界はパンデミックと同時に訪れ、その必要性を改めて目の当たりにすることとなります。

近距離遠隔体験~ANYBODY ANYWHERE~とは?

前述の通り、オンラインによるコミュニケーションの増加に伴い、雑談やちょっとした会話の機会が減ってしまうという、新たな課題が見えてきました。このことは、特にチームで仕事を進めていく際に重要となる濃密なコミュニケーションを難しくさせます。

この解決策として、チームメンバーがオンラインでも常につながっている状態、すなわち常時接続に着目しました。また、よりストレスなく実施するため、セカンドディスプレイを設定し、作業領域を占領せず接続できる状態を目指しました。

さらに、視線や気配、複数人同時に会話するためには低遅延な通信環境も必須となります。「チーム同時にじゃんけんができる遅延レベル」にまで高めることを目標としました。

これらを5G環境下で実証することで、オフィス内はもとより離れた場所でも、プロジェクトルームにいるような、濃密な空気感を共有できるような体験が可能となります。このことを「近距離遠隔体験~ANYBODY ANYWHERE~」と表現しコンセプトとしました。

実験内容

プロトタイプイメージ

OPEN LAB.に設置された5G通信エリアを使用し、5Gミリ波対応デバイス「Xperia PRO(※1)」より5Gネットワークを通じて「ドコモオープンイノベーションクラウド®(※2)」上に構築された、低遅延映像伝送技術のプロトタイプを介して行いました。

本実験では、6人がチームとなり各々オフィス内の離れた場所で業務を行うシチュエーションを再現。チームでの常時接続に対応するべく、画面分割や、複数デバイスを連携させることで視線を感じることができるモード、さらには気配が感じられるモードなどの専用機能を実装したアプリケーションを開発し、さらに5Gミリ波対応デバイス「Xperia PRO」より、5G通信を経てドコモオープンイノベーションクラウドにダイレクト接続(※3)することで高水準の低遅延環境を実現いたしました。

本試験を通して、チームメンバーが離れていても同じ部屋内で仕事をしている感覚を得られたことを確認できました。低遅延環境は、オンライン会議では不可能だった複数人同時会話を可能にさせ、雑談などメンバー間で会話が弾むシーンが見られました。

これらにより分かったことは、リモートワークにおける人と人のつながりから得られる安心感でした。この「離れていてもそばにいる」という安心感の醸成は、その後、世の中がハイブリッドワークに以降し、さまざまな課題に直面するなかでも、解決するべき非常に重要なテーマとなりました。

オープンラボの企業連動型実験の原点となったコンテンツです。

※1|「Xperia」は、ソニー株式会社の商標または登録商標です。
※2|各種条件により遅延時間は変動するため、ネットワークの伝送遅延が必ず一定以下になるといった保証をするものではありません。「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※3|スマートフォンからクラウドダイレクト™への直接通信は、実証実験に限定したものであり動作保証はしていません。「クラウドダイレクト」は、株式会社NTTドコモの商標です。

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