~社会~ 人材
Well-beingを社内でも社会でも実現することを目指し、新しい働き方の推進、多様な人材の活躍・成長支援に取り組んでいます。
働き方改革とダイバーシティ&インクルージョン
考え方
コクヨは「幸福」「健康」を意味するWell-beingを社内でも社会でも実現することを目指します。
新たな働き方の推進により、ジェンダー、障がい、国籍だけにとどまらず多様な人材が自分らしく活躍できるバリアのない組織づくりにより社内のWell-being向上を目指し、社会に貢献していきます。
2023年の取り組み
本社オフィスの1階にインクルーシブデザイン手法を用いたダイバーシティオフィス「HOWS PARK(ハウズ パーク)」を構築しました。構築の初期段階から、聴覚・精神・下肢障がい・車椅子ユーザーなど様々なリードユーザーとの対話を重ね、誰もが安心して使いやすいオフィス空間を実現しました。
しくみ
多様な働き方を実現するための諸制度(※)
従業員のライフステージに応じた働き方や多様なキャリア形成を実現するため、法定以上の制度の充実を図っています。(下線部は法定以上)
産前産後休暇 | 産前6週間(多胎妊娠の場合14週)、産後8週間 |
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配偶者出産休暇 | 配偶者の出産時に認められる休暇、1回につき2日 |
育児休業 | 子どもが満2歳に達する日まで (4月生まれの場合に限り満2歳の4月末日まで) |
子の看護休暇 | 小学校6年生修了時まで、1年間に5日、2人以上の場合1年間に10日まで(時間単位での取得も可) 給与・賞与に影響のない休暇として扱う |
介護休業 | 要介護者1人につき、通算183日まで(3回まで分割取得可) |
介護休暇 | 要介護者1人につき、1年間に5日、2人以上の場合1年間に10日まで(時間単位での取得も可) 給与・賞与に影響のない休暇として扱う |
短日・短時間勤務 |
育児の場合、子どもが小学校3年修了時まで 介護の場合、要介護者1人につき3年まで |
在宅勤務 | オフィスワークとリモートワークを併用した働き方を推進 |
コアタイムの無いフレックスタイム制 | メリハリをつけて時間を有効活用することを推進 |
自己都合退職者再雇用制度 | 結婚・出産・育児・介護・配偶者の転勤・留学・ボランティア・転職、およびその他会社が認めた事由により、自己都合で退職した正社員が対象。コクヨグループの外で過ごした間に培われた経験・知識がグループ内にもたらされ、グループのダイバーシティがさらに広がることが期待されています。 |
定年退職者の再雇用 | 原則として60歳定年後もコクヨグループで勤務を希望する従業員全員が、シニア社員として勤務を継続することが可能。従業員が定年後も社会で活躍できる機会を提供するとともに、これまでの勤務で培われた豊かな経験・知識が活用され、後進の育成に寄与されることが期待されています。 |
※ コクヨおよび主要子会社の制度 ※ 関連情報:育児休業・介護休業取得者数 |
「コクヨ式ハイブリッドワーク」の実践
2022年より、「コクヨ式ハイブリッドワーク」を開始しました。多様性を尊重しながらチームとして生産性・創造性を高める働き方に挑戦し、個人の成長とチームの成果を共に実現することを目指しています。自分らしい働き方・学び方・暮らし方のバランスが整っている状態を「Life Based Working」と定義付け、多様な人材がそれぞれの「Life Based Working」の実現を通じて、コクヨらしい働き方を実践しています。
例えば、働き方は3つのタイプ(オフィス中心タイプ、バランスタイプ、在宅中心タイプ)から個人が選択し、上司との対話を通じて個人とチームにとって最適な働き方を決定します。定期的にチームで振り返りを行い、働き方をブラッシュアップしています。
また、働く環境の選択肢も拡大し、サテライト型の従業員向け多目的スペース「n.5(エヌテンゴ)」を開設しました。サテライトオフィスとしての利用だけでなく、従業員の自律的で自分らしい働き方・学び方・暮らし方に寄り添う場所として、自主勉強会や個人主催でのイベント開催など、多様な目的で活用しています。
物流現場でのフレックス制度導入
2024年問題など人材にまつわる様々な課題がある物流業界においても、コクヨグループでは積極的に働き方改革を推進しています。
一般的に、物流業界でのフレックスタイム制度の運用は難しいと言われていますが、コクヨロジテムでは2009年にオフィス勤務者にフレックスタイム制度を導入し、2022年には配送センター勤務者にも制度を導入しました。現場での活用率も向上しており、物流業界における柔軟な働き方の実践事例となっています。2023年には、コクヨサプライロジスティクスが配送センター勤務者を含む全員にフレックスタイム制を導入しました。繁閑に応じて業務時間を社員が自律的に選択できることは、可処分時間の創出や心身的な負担軽減が期待され、物流業界における柔軟な働き方の挑戦事例となっています。
- ※ 関連情報:㈱コクヨロジテム NEWSページ
- ※ 関連情報:コクヨサプライロジスティクス㈱ NEWSページ
ワークライフバランスの実現
コクヨグループではワークライフバランスに配慮して、働きやすい環境づくりに努めています。
これらの取り組みが認められ、2022年12月末現在、グループ3社が「くるみんマーク」を取得しています。
「くるみんマーク」は、少子化の改善を推進する厚生労働省が次世代育成支援対策推進法に基づいて「子育て支援に積極的な企業・団体」に交付しているマークです。
※ 取得会社(2023年12月末現在)
コクヨ(株)、(株)カウネット、コクヨマーケティング(株)
コクヨグループの障がい者雇用
コクヨの障がい者雇用の歴史は1940年にさかのぼります。現在の本社エリアにあった今里工場に、大阪市立聾唖学校(現在の大阪府立中央聴覚支援学校)の生徒を採用したのが最初です。
コクヨグループにおける障がい者雇用の転換になったのが、2002年に発表された事業構造改革プラン。コクヨ分社化によって生まれる個々の子会社が障がい者雇用にどう対応するかが検討され、2003年9月に特例子会社として「コクヨKハート」が設立されました。さらに2006年12月、知的・精神障がい者の雇用を目的とした「ハートランド」が設立されました。
コクヨグループにおける障がい者雇用率は、2023年6月1日現在で2.38%となっています。
※ 関連情報:従業員の構成(障がい者数)
人材マネジメント
「事業と人材の同時成長」を基本方針として、事業領域の拡大により多様な事業の集合体となることと、個人の社会におけるキャリアの可能性拡張を両立するような成長サイクルの実現を目指しています。
実現したい「事業と人材の同時成長」サイクル
「人材マネジメントポリシー」の策定
2023年に「人材マネジメントポリシー」を策定しました。従業員のキャリア・能力発揮のために大切にする思想として「人材を社会の財産と捉え、一人ひとりの可能性に伴走しながら、事業成長と社会に貢献できる人材を輩出する」ことを宣言し、経営陣・従業員全員の共通認識としています。
人材マネジメントポリシーに基づくアクションとして、2023年に全事業部門で「人材育成会議」を開催し、一人ひとりのキャリア・ポテンシャルについて役職者が複眼で討議することを開始しました。
あわせて、「20%チャレンジ」や「マーケティング大学」をはじめとするこれまでの人材育成の取り組みを体系化するとともに、さらなる成長支援の強化のための人材育成機関「コクヨアカデミア」を立ち上げました。コクヨアカデミアは、会社や個人の成長の源泉となる“ヨコク”を描き、実現に向けてリーダーシップやクリエイティビティを磨く後押しをすること、そして、様々な学びを糧に一人ひとりが自身の可能性を信じながら、新たなチャレンジへ繋げていくための「学び・挑戦(ヨコク)し続ける風土」を醸成することを目指しています。
しくみ
2018年度より本格運用を開始した人事制度では、基幹職は年齢や経験に関わらず役割と責任の大きさに応じた役割等級、一般の従業員は能力の大きさに応じた能力等級としています。会社の戦略に応じて組織・役割を明らかにした上で適材をマッチングする適所適材の配置、会社全体で「何のために、何をするのか」を上司部下の対話でつなぐ目標設定、達成度を絶対評価しメリハリをつけた処遇への反映を推進しています。
2019年度から、人事制度をインフラとして活用しながら適所適材の配置登用、能力開発の取り組みを強化して参りました。実際に、30歳代前半で経営の一端を担う基幹職登用、30歳代後半での部長への登用、40歳代での役員への登用など、年齢に関わらない配置登用事例が増えてきました。
「事業と人材の同時成長」実現に向けた人材マネジメント体系
会社は「新たな機会創出/原石層の早期発掘」「タイムリーな配置登用」「挑戦を援護」「複眼で成長レビュー」にこだわり、人材育成サイクルを戦略的に回します。
2023年の取り組み
新たな挑戦機会の創出
- 社内複業「20%チャレンジ」の実施
2020年より、主体的なキャリア形成・能力向上、組織の活性化を後押しすることを目的として、自ら手をあげ、業務時間の20%程度を活用して他組織の業務にも参画する「20%チャレンジ(社内複業)」の取り組みを開始しました。組織側の求人テーマに対し従業員が応募し、求人先の上司と人事でマッチングを行っています。期間は3~12か月で、取り組みでの成果や貢献も個人の実績評価に加味する形で運用し、これまでに260名以上が参加。海外事業の市場調査や戦略推進支援、学びのデジタル化の未来を見据えた研究開発、従業員の環境意識の向上等、所属事業や組織を跨いだテーマにチャレンジしています。また、生産性を高めながら現業の成果を落とさずに「現業80%+新しいテーマ20%」の状態を目指し、業務工数を可視化しながら、本人・上司・人事で対話を行い、業務の見直しや軌道修正を進めています。
- 「コクヨマーケティング大学」「コクヨマーケティング大学院」の実施
「コクヨマーケティング大学」は、新規事業の構想や戦略策定を通じたマーケティングスキルの習得により、顧客起点で未充足ニーズを捉えて課題解決を推進する仕事の仕方にチャレンジするために、社会人経験3~12年目の若手層を対象とした経営答申型実践プログラムです。戦略・マーケティング手法について学んだ後すぐに、得た知識を使ってコクヨの新規事業企画案に落とし、外部の経営戦略プロフェッショナルによるコーチングを受けながら約半年間チームで磨き上げ、最終的に経営に答申する形式です。2017年より取り組みを始め、開発や企画に限らずあらゆる職種の若手の従業員160名以上がチャレンジしてきました。開設から継続的に、卒業生が伴走するメンター制度導入による学びのレベルアップ、卒業生の現業でのアウトプットの変化や新たなチャレンジにつながる異動等、マーケティング大学を起点とした展開やアクションにつながっています。
「コクヨマーケティング大学院」は、未来の事業環境を客観的に考察し、戦略検討する仕事の進め方にチャレンジするために、30~40代の中堅リーダー層を中心にしたプログラムです。経営議論を経て決めた10年先を見据えた事業テーマに対し、外部の経営戦略プロフェッショナルによるコーチングを受けながら、約9か月間チームで磨き上げ、最終的にコクヨの成長戦略を経営に答申します。2019年に開始し、累計110名以上がチャレンジしています。また、卒業生の多くが、全社プロジェクト等の大きな役割を担う新たな挑戦機会を掴み、成長、活躍しています。
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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マーケティング大学 参加者数(累計) |
118人 | 143人 | 168人 |
マーケティング大学院 参加者数(累計) |
73人 | 93人 | 113人 |