従業員の健康

労働安全衛生 従業員の健康

考え方

【Well-being:健康経営】

コクヨは、「従業員の健康とワークエンゲージメントの向上」を、Well-beingの基盤と考え、健康経営を推進しています。

【健康経営宣言】

サステナブル経営指針に沿った健康経営を推進するために健康経営宣言を制定し、健康経営推進に努めてまいります。

健康経営宣言

コクヨのサステナブル経営指針「自律協働社会の実現に向け、ワクワクする未来のワークとライフをヨコクし、事業を通じて持続可能な社会を牽引する」を実現するためには社内外のWell-being向上が重要であると考えています。

《Well-beingを向上させる3つの重点施策》

  • 新しい働き方の提案
  • ダイバーシティ&インクルージョン&イノベーション
  • 従業員の健康とワークエンゲージメントの維持・向上

「幸福」「健康」を意味するWell-being。コクヨは、その主役である従業員の心身の健康とワークエンゲージメントを維持・向上させ、活き活きと働くための様々な施策を、従業員・健康保険組合・労働組合と共に推進し、そこで得られた気付きや行動を社会のWell-being向上につなげていくことが、コクヨの健康経営と位置づけ、これを推進します。

しくみ

健康経営6つの重点取り組み項目

健康経営推進体制

健康経営を推進するため、2022年度よりサステナブル経営体制Well-being部会の中に「健康経営タスクフォース」を設置。
中央安全衛生委員会・リスク委員会・健康管理スタッフ・グループ各社健康推進者・健康保険組合・労働組合と、健康経営タスクフォース(人事部門)とが連携し健康経営施策を推進しています。

健康経営を推進するにあたり、健康経営における目的・課題・効果・投資を体系的に整理しています。

戦略マップでは、左から投資・効果・課題・目的の順で描かれています。

2024年の取り組み

コクヨグループ健康目標と2023年結果

健康経営推進にあたり、直近の状況を踏まえて、以下の注力モニタ指標と目標値を設定しています。

指標 ワークエンゲージメント プレゼンティズム
課題の状況 現状の自社のワークエンゲージメント指標は、直近でC+(2.47、偏差値53)との評価となっている。
まずは、全国平均値(2024年:52.7)を上回る状態を維持しつつ更なる向上を図っていく。
世間平均に比してプレゼンティズムによる損失が大きい。
過去データから残業時間とプレゼンティズムに強い相関が確認できており過重労働対策を軸に、まずは世間同等水準を目指す。
目標値 2.27(偏差値65、B相当) 15
当初値
(2023年初)
2.47(偏差値53.1、C+) 21
現在地
(2024年初)
2.43(偏差値54.7、C+) 21.5

「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定

2024年3月11日、コクヨとカウネットが経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人 2024(ホワイト500)」に、コクヨマーケティングが「健康経営優良法人 2024(大規模法人部門)」に認定されました。健康経営優良法人認定制度は、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度。コクヨグループでは、2022年にアップデートされた「コクヨ健康経営宣言」(2019年10月 制定)に基づき、今後さらにWell-beingの向上、健康経営増進の取り組みを進めてまいります。

健康経営優良法人2024(ホワイト500)」、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)

働く・暮らすの実験場「THE CAMPUS」を通じたコクヨの健康経営ノウハウの発信

2021年2月に東京・品川に、働く・暮らすの実験場「THE CAMPUS」をグランドオープンしました。

「THE CAMPUS」は、コクヨが「NEXT EXPERIENCE」(=長期的視点で社会課題解決に取り組んでいくこと)の活動を通じて、未来につながる価値を探求するため、さまざまな専門性や経験を持つ人々と全館通して実験・実践する場所として設立されました。これまでコクヨが実践してきた健康経営の知見やノウハウ、従業員や来訪者の心身の健康と安全・安心を守る提案を「THE CAMPUS」を通じて広く社会に発信し続けています。

以上の取り組みが評価され、世界的な基準で「健康・安全性」を評価する「WELL Health-Safety Rating※」を国内の複合施設で初めて取得しています。

「WELL Health-Safety Rating」は、コロナウイルスの流行を受け2020年6月にWELL認証運営機関のIWBI(International WELLBuilding Institute)により新しく公開された認証制度です。感染症対策(covid-19等)をはじめ、その他の緊急事態対策、施設の清掃や消毒、空気や水の管理方法等の評価項目を、第三者機関による審査で評価されます。

各種取り組み事例

  • マネジメント改革の取り組み

    2023年度は中長期の持続的成長のためには特に経営とマネージャーによるマネジメント改革が急務と位置づけ、伴走型のマネジメントスタイルの実践に取り組みました。具体的には業務を進める上で発生する課題を経営・マネージャー皆で解決するための1on1トライアルによりコクヨにおける1on1の型や仕組みの整備をしたり、業務の偏りを解消し市場価値の高い仕事をする環境を整えるための業務フォローアップ活動を実践しました。これは各レイヤーごとに役割責任を定めた上で上位層からメンバーに積極的に関与していき、工数予測とタイムリーな状況把握によりそれぞれが抱える困りごとを早期に解決していく取り組みです。これらの効果もあり残業時間は大きく減少し時間の使い方の変化につながりました。2024年はこの取り組みの定着化を図るとともに、休暇取得のハードルを下げる取組を実施していきます。

  • 女性の健康課題

    【課題背景】

    これまで女性の働きやすさを考慮した取り組みが少なく、「女性が働きづらい」「男性と比較して育児や介護の両立がしづらい」という声が多数あった。社員構成としても、世間と比較して若い女性が多く、女性ホルモンによる健康課題や育児・出産などのイベントに関わる社員が増加した。

    そのため、2023年度以降、これまで以上に女性のワークライフバランスと健康課題を会社として支援し、より働きやすい会社になるよう重点的に取り組んだ。

    【取り組み】

    • 女性の健康課題に特化した産業医による相談窓口を開設。
    • 保健師による社員との接点強化として『ウェルネスステーション』を開設。気軽に社員が産業保健スタッフに相談できる場の提供を開始。
    • 女性活躍推進に向けた健康面の課題解決のため、性別に関係なく働きやすい職場を目指し、コクヨ産業医による【女性特有の健康課題(PMS・更年期 障害、子宮頸がん・乳がん)セミナー】を実施。男性社員にも積極的な参加を推奨。
    • 出産や育児等ライフイベントを想像して不安を持っている世代対象のセミナー・座談会・先輩社員との交流会を実施。
    • 生理用品の備品化:・花王『職場のロリエ』協力のもと本社トイレに生理用ナプキンをテスト設置
    • 40歳以上に乳がん検診の実施を拡大、健保による補助金体制を確立。
      (品川・本社オフィスだけでなく、芝山・三重工場でもマンモグラフィー検診車と乳腺エコー検査技師の派遣)
  • 福利厚生施策との連動

    選択型福利厚生制度(制度名:PLAY WORKマイレージ)において、「健康」を重点分野の一つに定め、従業員の健康増進活動を後押しする以下のしくみを運用中です。

    <従業員の健康増進に関する自己投資の支援>

    従業員が健康増進活動をする際に生じた費用について、自分のポイントを用いて補助を受けることができるしくみで、人間ドックのオプション受診や医療費、各種健康用品の購入費用に利用できます。2023年度は約236百万円の利用がありました。

  • 従業員の健康増進活動の促進

    軽度の運動や日々の生活の中で健康を意識した行動を習慣化することによる健康づくりを実践してもらうため、ウォーキングや日々の生活習慣の記録状況に応じて、上記選択型福利厚生制度での補助受給に利用できるポイントを獲得できるしくみを運用しています。より多くの社員の参加を促すため、チーム単位で歩数を競い合うなどの「ウォーキングキャンペーン」企画も期間限定で実施しています。
    また、従業員の身体不調に関する健康リテラシー向上および改善を目的に、セミナー・サーベイ・トレーナーによる個別指導をセットにしたウェルネスプログラムも実施しました。

  • 定期検診徹底活用プログラム

    定期健診受診前後に産業医によるセミナーを実施して、受診結果を次回に向けた改善につなげられるように、従業員の健康をサポートするプログラムです。オンライン形式で開催し、従業員のご家族にも参加頂けるようにしています。

  • 禁煙・分煙

    日本たばこ産業株式会社(JT)が実施している全国喫煙者率調査に比べ、コクヨグループの喫煙者率は、特に男性は「かなり高い」状態です。2020年4月11日より、多くの人が利用するすべての施設が原則屋内禁煙となったことに合わせ、全国事業所の屋内喫煙施設を全面廃止、継続的に禁煙啓蒙活動を行っています。

(コクヨ健康保険組合)コラボヘルス推進

コクヨ健康保険組合では事業主と連携して、コラボヘルスの推進に取り組んでいます。
健康診断・がん検診については、事業主と共に以下の対策を実施しています。

  • ネットワーク健診の利用により健康診断(人間ドック含む)を全国の健診機関で受診することができ、被保険者と被扶養者が同一健診機関で同時受診可能
  • 大腸がん検診は、2022年より健康保険組合から事業主に補助を行い、事業主の実施する健康診断に大腸がん検診を組み込むことで、全社員に大腸がん検診を実施
  • 子宮頸がん、乳がん検診に対して補助上限を引き上げ
     -2020年に乳がん検診補助上限を引き上げ(実費補助)
     -2023年に子宮頸がん検診補助上限を引き上げ(実費補助)
  • 前立腺がん検診に2023年より補助を開始
  • HPVウィルスとPSAの郵送検査を2023年より開始
    (上記の子宮頸がん検診補助、前立腺がん検診補助を受けていない被保険者への対策)

また、24時間365日被保険者も被扶養者も利用できる「こころとからだの24時間相談ダイヤル」を事業主と共に開設しており、健康・医療・介護・育児・メンタルヘルス等の相談できる他、2023年より健康アプリを導入して運動習慣・食習慣・睡眠習慣などの改善に取り組んでいます。

コクヨグループでは、法令に基づき、年1回の「ストレスチェック」を実施しています。

このストレスチェック実施期間外も、従業員一人一人が気軽にセルフケアを受けることができる体制づくりのため、外部機関が運用するEAP(従業員支援プログラム)も導入し、従業員自身の負担感への気付きを促し、早期に予防のサポートができる環境づくりを行っています。

また2021年からは、「ストレスチェック」に加えて、働き方や職場の課題の定点観測とより良い組織づくりに向けたチームでの対話の促進を目的とした『パルスサーベイ』を毎月実施しています。

これらのサーベイ結果や人と組織のデータを総合的に見ながら事業部門と人事部門が対話し、優先的に取り組む課題の抽出とその対応策を実施しています。

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