四万十高校生によるレポート

2010年 植生調査結果

調査日 2010年10月2日(土)
天気 はれ
調査メンバー 四万十高校「結の森」妖精チーム、コクヨ社員
調査エリア C地点・D地点
植生調査

風当たり

風当たり

日当たり

日当たり

土の湿り具合

風当たり

階層ごとの高さと植被率

高さと植被率の結果を見ると、D地点の高木層の植被率はC地点と比較し、76%とわずかですが、高い結果になりました。 また、D地点の草本層の植被率はC地点の43%と比較し、8%と低くなっていました。
D地点は間伐が進んでおらず、林内に日光があまり入らないため、草木層の植被率が低いと考えられます。

階層ごとの高さ

※高さ・・・9地点のうち最も高いところの値
※植被率・・・9地点の平均値

この写真は、下草の植被率が8%だったD地点と43%だったC地点との比較です。左がC地点、右がD地点の写真です。この写真を見てもわかるようにC地点の方が断然下草が多いことがわかります。

出現種数

出現種数

次に出現種数の結果です。やはり、D地点に比べ手入れのされた日当たりの良いC地点のほうが、下草が48種と多くの種類が確認できました。

出現種数

1年前との比較<C地点・D地点>

まずC地点を一年前の結果と比較してみたいと思います。

高さ・植被率

一年前に比べ草本の割合が44%から43%と低くなっています。

高さ・植被率

植物の出現種数

一年前よりも、草本層の出現種数がかなり減っています。

植物の出現種数

次に、D地点を一年前の結果と比較してみたいと思います。

高さ・植被率

D地点も一年前と比べると、草本層の割合が低くなっていました。

高さ・植被率

植物の出現種数

一年前よりも、低木層、草本層の出現種数が減少していました。

植物の出現種数

調査結果まとめ

C地点・D地点の比較

C地点はD地点と比較し、日当たりが良く明るいため下草が多くなっています。理由としては、C地点は、間伐率が高く傾斜が緩やかなため、葉の茂りが少なくなり日光が地面に届きやすい、ということが言えます。
一方、D地点は、傾斜がきつく、間伐が6年間行われていないことにより、日当たりが悪く下草が育ちにくい環境にあります。

1年前との比較

昨年2009年度と比較すると、C地点・D地点とも、僅かですが植被率に減少傾向がみられました。しかし植生の出現種数は、C地点は81種から53種、D地点は48種から37種と大幅に減っていました。これは、いくつかの植物だけが多く繁殖し、それ以外の植物は2つの地点から消えてしまったことを表しています。一番の原因として考えられるのは、鹿に特定の植生が食べられてしまったことです。その証拠に、2つの地点では、鹿が好む柔らかい植物だけが消えていました。

鹿の被害がひどくなったのは、ここ2~3年のことで、根本的な原因は判明しておらず、解決策がない状態です。そのため、大正エリアでは、防護柵を設置するなどの措置をして、鹿の食害から森林や農作物を守っています。

今後は、鹿の食害への対策を考えること、妖精チームとして自然の大切さを周りの人達に伝えていくことを課題として活動します。

ありがとうございました!

鹿に樹皮を食べられてしまったヒノキ

鹿に樹皮を食べられてしまったヒノキ。柔らかい植物の芽や葉、樹皮は鹿の食害にあいやすい