四万十高校生によるレポート
2017年 植生調査結果
調査日 | 2017年11月12日 |
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天気 | 晴れ |
調査メンバー | 四万十高校「結の森」妖精チーム、コクヨ社員・四万十町森林組合、高知県、四万十町 |
調査エリア | C地点(2006年間伐) D地点(2011年間伐) |
風当たり
日当たり
土の湿り具合
階層ごとの高さと植被率
高木層と草本層、特に草本層がC地点の方がD地点より植被率が高くなっています。
※高さ・・・9地点のうち最も高いところの値
※植被率・・・9地点の平均値
出現種率
D地点は間伐実施時期がC地点と比べて遅く、2か所の植生は見た目でも随分違います。
C地点はすでにウラジロ(シダ植物)が林床を覆い、草本類の種類は限定されてきました。
D地点も低木の成長が著しく、林床の草本類は今後減少しそうです。
1年前との比較<C地点・D地点>
まずC地点を一年前の結果と比較してみたいと思います。
高さ・植被率
C地点は、シダ植物のウラジロが林床を覆う中、低木も成長し、立派な複層林となりました。
草本層の植被率の増加はウラジロの成長、低木層の植被率の減少は秋に葉が落葉した後に調査を実施したことが要因だと思われます。
(本年の高木層の高さは目測で実施)
植物の出現種数
C地点は、シダ植物のウラジロが林床を覆う中、低木も成長し、立派な複層林となりました。
ウラジロが茂ることにより、小さな草本類は生育しにくくなりましたが、今後も40種前後で推移していくと思われます。
次に、D地点を一年前の結果と比較してみたいと思います。
高さ・植被率
D地点は草本層にシダ植物のウラジロが少ない分、低木の占める割合が大きくなり、立派な複層林に成長してきました。間伐後の林床の変化は、そろそろ安定しそうです。
(本年の高木層の高さは目測で実施)
植物の出現種数
D地点は草本層にシダ植物のウラジロが少ない分、低木の占める割合が大きくなり、立派な複層林に成長してきました。低木がさらに成長すると、鳥類が果実を目当てに飛来してくる可能性があり、新しい植物の種子が鳥類によって運ばれてくるかもしれません。今後が楽しみです。
調査結果まとめ
人工林といえば薄暗く、枝打ちされていないひょろひょろの木が密集している・・・というようなイメージを持たれている方も中にはいらっしゃるかと思いますが、ここは決してそのような人工林ではありません。
結の森プロジェクトが始まって10年と少し。間伐の効果をみるために毎年植生調査を行ってきましたが、ここ数年の森の様子は、ため息が出るほど美しく、1年ぶりに調査地を訪れてみると、低木がぐんと成長した様子に思わず驚きの声が出ました。C地点、D地点ともに立派な複層林に成長したと思います。