みんなで力を合わせて呼びかけ集めたノートとの再会。感動の贈呈式を開催(守山市立玉津小学校)
取材日 2024.3.7
今回、伺った学校はこちら
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守山市立玉津小学校
設立:1873年(明治6年)
児童数:315名
都道府県:滋賀県守山市
特徴:周囲を田園に囲まれた豊かな自然環境の中で、「たすけ合い まなび合い つくり上げる玉津の子」の子ども像を掲げた教育を実践している
今回の記事のポイント
- 玉津小学校で、つなげるーぱ!のリサイクルで生まれたノートの贈呈式がおこなわれ、4年生の子どもたちが参加
- 自分たちが考えて取り組んだノート回収のための放送やポスター制作の活動の成果が、形となって子どもたちの元へ
- 難しいことではなく、身近なところから始められるつなげるーぱ!に、これからも取り組んでいきたいと意欲を持つ子どもたちの姿も
活動紹介
自然豊かな田園風景の中に佇む守山市立玉津小学校。
広い運動場を抜けて玄関に入ると、吹き抜け天井のモダンな装いの校舎と賑やかな子どもたちの声が出迎えてくれます。本日はこちらでノートの贈呈式が行われ、使用済みノートの回収活動に取り組んだ4年生55名に、完成したばかりのノートが手渡されました。
環境学習で取り組んだ回収活動でできたノートが子どもたちの元へ
「こんにちはー!」と元気な挨拶とともに会場へやって来た子どもたちを、体験型環境学習プログラム『つなげるーぱ!』に携わってきたコクヨメンバーが出迎えます。
「今日はみなさんが回収したノートがどうなったのかを報告に来ました」と呼びかけると、子どもたちも待ってましたとばかりに拍手で応えていました。まずは使い終わったノートをなぜみんなで集めたのか、そしてどうなったのかの振り返りをしていきました。
地球へのダメージを減らそうと、紙からできているノートを回収して、新しいノートの表紙に再利用する。この活動を続けていくことで、発生するCO2は1/3に、使用される水は1/4に削減されるといった話や、玉津小学校のみんなも合わせて全国77校、約2万人の子どもたちがこのプロジェクトに参加し、1万4000冊、1.9トンのノートが集まった話などを改めて伝えると、子どもたちは熱心に耳を傾け、自分たちの活動がどう地球に役立ったのか、関わってきたのかを実感してくれている様子でした。
自分の使ったノートの一部が使われているという喜びが環境への興味を育む
そして、集まったノートがどのようにして新しいノートの表紙になったのかが紹介され、ついに完成したノートとご対面!
机に並べられたキャンパスノート(つなげるーぱ!)が子どもたちの目に飛び込むと、大きな拍手と歓声が巻き起こりました。4年生のみんなを代表して、三品優人さんと藤井陽向さんがノートを受け取り、嬉しそうにノートを掲げてみんなに見せてくれていました。
続いてノートの開発者であるコクヨの社員から「表紙にある黒い点は、みんなが集めたノートの一部かもしれません」と話をすると、子どもたちは一斉に目を輝かせ、これかもしれないそれかもしれないと自分のノートの一部を探していて、とても微笑ましい光景でした。
また、表紙に登場している2種類の絶滅危惧種の動物、マレーバクとムササビについての紹介も興味津々に聞いてくれていました。
「地球を守るために、今後もこの活動に参加してもらえると嬉しい」と子どもたちへのお願いを締めくくりの言葉とし、贈呈式は幕を下ろしました。
インタビュー
答えてくれた人
答えてくれた人
守山市立玉津小学校
4年生
三品優人さん(左)
藤井陽向さん(右)
回収するのは難しかったですか?思った通りに集まりましたか?
三品:活動を知ってもらうために何ができるかをみんなで考えて、ノート回収のための箱を作って学校に置いたり、各教室に直接告知をしにいったり、みんなでCMの動画を他のクラスで流してもらったりしました。
全校放送をしたのですが、セリフを決めるのが難しかったです。自分達が学んだことを伝えてたくさんの人がノートを持ってきてくれて嬉しかったです。
藤井:僕はポスターを作りました。1枚のポスターを1人で全部描いたんですけど、目立つようにしないとみんなが気づいてくれないと思ったので、なるべく目立つように描きました。実際に気づいてくれて嬉しかったです。
つなげるーぱ!の取り組みを実際におこなってみてどうでしたか?
三品:CO2が1/3になったって聞いて、勉強するだけじゃなくて実際に色々考えて動いたことに意味があったんだなと思いました。
藤井:調べて発表するだけじゃなくて、こうやってノートが戻ってきてくれたのがよかったです。
今ノートを手に取ってみた感想を教えてください
三品:僕は計算ドリルのノートを5冊くらい回収してもらったので、どこに僕のノートが使われているか探してみたいです。このもらったノートは自由帳とかに使いたいと思います!
藤井:僕はちょうどノートがなくなっちゃったところだったので、算数ノートに使いたいと思います。この活動にこれからも参加したいなと思いました。
子どもたちが体験して得た経験がこれからの未来に綴られていく
このプログラムを経験した生徒たちと一緒に実施してくださった先生たちは「環境に興味を持つところがスタートですが、そこをつなげるーぱ!のプログラムにしていただけた。活動を形にし、何百人を動かす経験ができた事を未来につなげて欲しい」と話してくれました。
使ったノートを捨てるのではなく回収して再利用するということは、決して難しいことではありません。こういった身近なところから行動することの積み重ねが未来につながると知ることができました。
執筆:山瀬 鷹衡
編集:中西 須瑞化・田中 美咲
撮影:林颯太