2005年4月に施行された個人情報保護法。
これに関してお客様相談室に多くの商品要望をいただいております。
その中の1つが、病院で使われる「カルテ戸棚」でした。
以前から「鍵つき」商品に対するご要望があり、既製品はなく別製でお作りできる旨の回答をさせていただいていました。
別製で対応する場合、マジック扉と呼ぶ左右に収納できる扉をつけることが多いのですが、そうすると、収納スペースは小さくなる上に、扉は10cmほど出っ張った状態にまでしか収納できないという欠点がありました。
そこで、お客様相談室からコクヨファニチャー株式会社に鍵付きのカルテ戸棚の既製品開発の要望を出したところ、時を同じくして、コクヨファニチャー株式会社でも、製品化を検討していたとのことでした。
カルテ戸棚というのは、朝、病院で受付を開始してから最後の患者様が帰られるまで、扉は開けっ放しで、頻繁にカルテを出し入れされます。開けた扉が邪魔になるようでは仕事の効率が下がりますし、危険でさえあります。
鍵をつけるために扉は必要ですので、カルテ戸棚の扉は「シャッター式しかない!」と商品開発チームで決めたものの、実はシャッター扉は非常に難易度の高い課題だったのでした。
これまでもコクヨで何度もシャッター扉のついた家具は発売されてきましたが、いずれも短命でした。
その理由は、よくあるタイプ(「背面落とし込み式」といいます。)のシャッター扉はメカが複雑で、ちょっとした衝撃やはずみで内部のギアがはずれるなどトラブルが起きやすかったからでした。
そこで今回この商品の開発を任された担当者が、他社にない優れた商品を作ろうと見つけたのが、「巻上げ式シャッター」でした。
この「巻上げ式シャッター」の採用によって、多くのメリットが生まれました。
- 扉の一番下から一番上までかるーい力でするするとシャッターを開け閉めできます。
(開閉の最後に勢い余ってガッシャーンっとなりません。実は、このガッシャーンという衝撃がトラブルの元でもあったのです。)
- 「巻上げ式」は、シャッターを収納部の上部にくるくると巻くので、「背面落とし込み式」のシャッター家具の背面部のようにシャッターが垂れ下がる空間が不要です。そこで、収納量は従来のまま、カルテ戸棚の厚みが380mmと薄くできました。
- 上部のシャッターメカは工場で全て組み立てられますので、設置もメンテナンスも容易です。
さらに、鍵穴をおよそ腰くらいの位置にして、しゃがまずに立ったままの楽な姿勢で施錠操作が行えるようにしました。
かくして、オープンタイプしかなかった「カルテ戸棚」に、2006年から新製品として施錠管理可能な「鍵つきカルテ戸棚」が発売されたのです。
発売以来、「鍵付きカルテ棚」は、個人医院様を中心にお求め頂いていますが、自動車ディーラ様など異業種の法人様にもご好評頂いています。
この「カルテ戸棚シャッター扉付き」の良さは、実際にシャッターを開閉をして頂くと、スゴクよくわかります。 ぜひ、弊社ショールームでご覧ください。
■カルテ戸棚シャッター扉付
品 番 |
本体価格(税込) |
外寸法 |
棚内寸法 |
HP-SHA49F1 |
\366,450 |
W900×D380×H2050 |
W860×D310×H260 |
●仕切板95枚付き ●仕切板ピッチ42mm 1区分有効幅41mm ●鍵付き ●アジャスター4カ所