- コクヨクロニクル TOP
- コクヨ・オリジナル余話 TOP
- 「「エコバツマーク」の取り組み」
- 「エコバツ」マークの取り組みを告知した新聞広告(2008年3月)
企業の社会的責任として、コクヨでは早くから環境問題に取り組んできましたが、21世紀に入って、森林破壊、温暖化など、地球規模での環境の危機が叫ばれるようになると、環境問題へのさらなる取り組みがこれまで以上に必須です。こうした状況のなか、コクヨは2007年、業界の常識を覆すような、驚くべき施策「エコバツマーク」の実施を発表します。これは、環境配慮に欠ける製品にバツ印を付け、3年でそれをゼロにするというもので、環境問題に無関心な製品は、早晩市場から受け入れられなくなると危機感をつのらせた社長、黒田章裕によるトップダウンのプロジェクトでした。ただ、当初は社内で大変な騒ぎになりました。自社製品にダメ出しをするかのようにバツ印を付けることに対する抵抗、売り上げ減を心配する営業の声など、多くの不安を抱えたスタートでしたが、お客様の反応はおおむね好意的で、協力工場、取引先など関係者からも賛同を得ることができました。結局、社内で定めた基準(注1)に照らしてエコバツが付いた商品は、対象となる約7万品番のうち、およそ1万8千点。最初の計画どおり、2011年度版のカタログでは、エコバツ商品はゼロになっていました。
- エコバツマーク
- カタログでの表記
エコバツマークの取り組みは、社内のモノ作りのプロセス、あるいは商品構成を見直すきっかけとなり、さらにモノ作りに直接関係のない部署でも、自らの働き方を見直すことによって、たとえば、より環境に配慮したオフィス空間をお客様に提案するようになりました。また、「世の中の役に立つ」企業であるためには、常識や慣例にとらわれずチャレンジする精神が不可欠であることを改めて実感しました。「エコバツ」活動は終わりましたが、エコにゴールはありません。コクヨは、この経験をベースに、エコであることはもちろんのこと、同時にお客様のクリエイティビティを目覚めさせるような商品、空間、働き方の提案をめざして、今も挑戦し続けています。
(注1)2008年度版カタログでは、「つくる時」「つかう時」「すてる時」の各々で環境基準を設定、2009年度版では、さらに「はこぶ時」を加えて全4基準の細目を見直し、そのひとつでもクリアできなければエコバツマークが付けられることになりました。
[参考]エコバツマークとは?(エコバツマークの表示と目的)