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- 「家具生産」
- 有名人を起用したCMの効果もあり一世を風靡した“くるくるメカ”(1981年発売)
コクヨの家具生産元年は、1960年。最初の製品は、スチール製ファイリングキャビネットでした。その後、65年にスチールデスクを発表すると、チェア、ロッカーなど様々なオフィス家具製品を開発し、家具はコクヨの新しい事業の柱として急速に成長していきます。さらに、オフィス家具の本格的生産がスタートして間もなく、コクヨはホーム家具にも進出します。最初の製品は、1967年発売の学習机「コクヨホームデスク」。時代は、経済の急成長とあいまって高学歴化が進み、家庭の教育環境に関心が高まっていました。コクヨでは、学習机本来のニーズに応えると同時に、楽しく使える工夫を重ね、ヒット商品を連発します。たとえば、学習机にシャープナー、時計といった機能を組み込んだのはコクヨが初めてで、これはその後各社が追随して業界標準となったアイデアでした。
- 「ホームデスク」で学習家具へ進出(1966年発売)
なかでも、学習机が構造的にもっていた使用上の不便を一気に解消した工夫で、最大のヒット商品となったのが、1981年発売の「ロングランデスク“くるくるメカ”」。使用上の不便とは、天板の高さ調整が、かなり面倒だったことです。それまでの学習机の高さ調節は、机の上のものや書架の本をすべて片付け、側面のビスを緩め、天板と一体となった重い書架部分を持ち上げて仮留めし、高さを調整しながら最後に再びビスを締めるというものでした。育ち盛りの子供は、年に10センチ身長が伸びることも普通ですから、その都度高さ調整が必要で、ユーザーにとっては大きな負担でした。ちょうどその頃、オフィス家具部門ではハンドルで高さ調整ができるOAテーブルを開発しており、これを学習机に搭載すれば問題を一気に解決できると着眼したことから開発がスタート。強度を出すために机の脚部を幅広にし、木製の脚でもハンドル機構を付けられる構造にするなど工夫を重ねた結果、子供でも簡単に高さ調整ができる学習机「ロングランデスク」が誕生したのです。商品の特長を直感的に表現した“くるくるメカ”という語感の良いサブネーミングも、分かりやすく好感され、CM効果もあいまって品切れになるほどのヒットを記録しました。
- 初期のスチールデスク(1965年発売)
- 初期の事務用回転イス(1966年発売)