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コクヨ・オリジナル余話

コクヨオリジナル余話 「ミュージアムケース」 コクヨクロニクル

美術館、博物館の展示ケース
美術館、博物館の展示ケース

「施設用家具」という未知の分野に挑戦

1980年代に入ってからコクヨは、従来の家具製品の主たるお客様であった企業、官公庁から、店舗、劇場、美術館、病院など、各種施設に向けて顧客層として、新しい商品開発に取り組むようになります。こうした施設用家具は、それぞれの目的に合わせた機能やデザインはもちろんのこと、製品を設置するノウハウも求められるという、コクヨにとってはまったく新しい分野の商品でした。その中で、後に圧倒的なシェアを占めるようになるのが、美術館、博物館のためのミュージアムケース(展示ケース)です。これは、展示作品の保存状況の設定に苦慮しているという現場からの声を聞きつけて開発をスタートさせたもので、コクヨではこの種の施設の展示ケースにとって最も重要な指標である密閉度を測定するための試験機を独自に開発、これをもとに密閉度の規格を定めるなど、前例のない様々な取り組みを積極的に行ってきました。

常にお客様の声に耳を傾けて築き上げた実績

ところで、ミュージアムケースの特異なところは、必ずしもお客様=ユーザーではないということです。というのも、たとえば、新築の美術館であれば、施主、建築家、あるいはゼネコンがお客様(発注者)ですが、実際に取り扱い、管理するのは学芸員の方々です。建築家からは、インテリア空間の一部として、高いデザイン性が要求され、学芸員からは使いやすさや、作品の保護性能、来館者にとっての見やすさといった機能面で細かい要望が出てきます。つまり、複数の立場から出される様々な機能やデザインに関する要望を調整しつつ全員の満足を導き出すという、複雑で根気のいる作業が必要とされます。コクヨでは、こうしたさまざまな立場のお客様の声に耳を傾けながら実績を重ね、高い評価を得ることによって徐々にシェアを拡大していきました。コクヨのミュージアムケースが初めて世に出たのは1984年。それから現在までの28年間で採用していただいた美術館、博物館は全都道府県にわたり、その数はおよそ800館にものぼります。

保存条件の設定に苦慮しているというユーザーの声から、独自に密閉度試験機を開発するなど、先駆的な取り組みが高く評価され、今では国内シェアで圧倒的優位を誇っています。
保存条件の設定に苦慮しているというユーザーの声から、独自に密閉度試験機を開発するなど、先駆的な取り組みが高く評価され、今では国内シェアで圧倒的優位を誇っています。

コクヨオリジナル余話一覧

  1. 表紙
  2. 和式帳簿
  3. 洋式帳簿
  4. 色紙付書簡箋
  5. ビーロマティーク
  6. 紙から鉄へ
  7. オフィス全館ショールーム
  8. キャンパスノート
  9. 測量野帳
  10. ミュージアムケース
  11. 物流
  12. 流通・販売ネットワーク
  13. 家具生産
  14. ユニバーサルデザイン
  15. 社名と商標
  16. スチール製品の自社生産工場
  17. エシーフォ
  18. チューブファイル〈エコ〉
  19. ドットライナー
  20. エコバツマーク
  21. 遺言書キット
  22. ハリナックス
  23. アジア
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