- コクヨクロニクル TOP
- コクヨ・オリジナル余話 TOP
- 「ユニバーサルデザイン」
ユニバーサルデザイン(以下UD)とは、1980年代にノースカロライナ州立大学(米)のロナルド・メイス教授が提唱した概念で、一言でいえば「できるだけ多くの人が利用できる、施設、製品、情報をデザインすること」。コクヨが、このUD商品の開発に本格的に着手したのは、1990年代後半からで、単に斬新、奇抜なものではなく、より多くの人が使いやすい普通のものを作ろうと、様々な取り組みをしてきました。
1995年には、メイスの提唱した7原則に、コクヨ製品として満たすべき要件を三つ追加し、製品評価のガイドラインとして合計10の原則(注1)を設定しました。もともとUDの理念は、コクヨ創業以来のモノ作りの精神「買う身になってつくりましょう」と重なる部分が多いため、こうした評価軸も社内にごく自然に浸透していきました。1999年には、要件をクリアした商品に表示するUDマーク(図)を設定、同年、コクヨ初のUD商品として発売されたのがクリヤーブック“ウェブレ”でした。これは、ポケットに波形カットを入れることによって、書類の出し入れを画期的にスムーズにした商品でした。翌2000年に発売された“プニョプニョピン”は、針全体を軟質プラスチック製リングで覆うことで、安全・安心、かつ抜きやすい画びょうを実現しました。また、2002年度の「コクヨデザインアワード」から生まれた“カドケシ”は、細かいところも簡単に消せるという使いやすさで大ヒット商品に。UDの思想は、この頃日本に広まりつつありましたが、商品としての積極的な展開において、コクヨは先駆的な役割を果たしました。最近では、コクヨの商品開発の現場において、UDは考慮すべき当然の条件ととらえられるようになっており、当たり前の機能をもしっかりと見直し、使いやすさにこだわったUD商品が多数発売されています。
- (図)ユニバーサルデザインマーク
■クリヤーブック(ウェーブカットポケット・1999年発売) ポケットに波形のカットが入っているので紙の出し入れがスムーズにできる
ヒット商品となった「カドケシ(写真左)」と「プニョプニョピン(写真右)」
- (注1)コクヨの「1つの原則」と「5つの視点」
原則1:できるだけ多くの人にとって使いやすい
視点1:基本がしっかり(商品としての基本性能がしっかり保たれていること)
視点2:五感でつたわる(文字・図形・音・カタチ・色…などを通じて情報がわかりやすいこと)
視点3:安全・安心(使う時も使わない時も安全性が高いこと)
視点4:使い方がわかる(操作方法がすぐわかること)
視点5:ラクに使える(負担を感じることなくここちよく使えること)
※ 「ユニバーサルデザイン」に関する詳しい内容は「もっとクリエイティブ - ユニバーサルデザイン」をご覧ください。